【スライド例付き】技術面接と研究概要を徹底解説

技術面接を制する「たった1つのポイント」

技術系総合職を志望される方が避けて通れないのが技術面接。
特に研究開発職志望であれば、重要度はさらに上がります。
なのに通過率を高める方法は知られていない。このギャップを解消していきます。

10 枚程度のスライドを使い、プレゼン方式で行う技術面接もあれば、
A4 用紙 1~2 枚程度の研究概要ベースで面接の半分程度の時間を使って行われるものもあります。

ただどちらも企業側が確認したいポイントは同じです。
そしてそのポイントは1つです。

それは「研究できる素質」があるかどうかです。
これだけです。

もっと言えば、「研究できそうなことはわかった。」と、
面接官に言ってもらうことがゴールです。
(実際の面接でも、何度かこの言葉をかけていただいたことがあります。)

もちろん生産技術系の職種等であってもそこは見られていますし、
表現を「技術的素養のある事柄に対して自身で考え、進める力があるか」に言い換えれば、
生産技術系志望の方にも、より分かってもらえるのではないでしょうか。

「研究できる素養があること」を伝えるために、
そもそもどんな資料を、どのように作成すれば評価に繋がるのか、
そこから説明していきます。

技術面接で伝えるべき内容

「技術面接の説明用スライドは学会で用いる資料と同じでいいのでしょうか?」
という質問を良くもらいます。

答えは「No」です。
理由は簡単で、目的が異なるからです。

学会の主な目的は「研究自体の成果発表」ですが、
技術面接の目的は「研究発表を通じた応募者(学生)の評価」です。

このような違いがある中で、同じ資料では伝えるべきことが伝わりません。
さらに学会発表ではある程度、基礎的な部分の共有ができている事が前提になりますが、
技術面接では違います。ですので、基本的な説明にも違いが出ます。

技術面接はおおよそ 10 分である事が多いので、
1 枚のスライドに 1 分かかるとすると 10 枚程度が目安となるでしょう。

そこで、私がどのようにスライドを構成していたかを織り交ぜながら、
「技術面接で何をどうやって伝えれば良いのか」解説します。

これから書くパターン以外にも様々な表現があると思いますし、
自身で考えることも重要ではあるのです。
ここでは、「何を伝えるべきなのか」を掴んでいただけると嬉しいです。

重要な事は「研究の発表を通じて、研究できる能力を示す事」なので、
あなたの能力を伝える上で重要なポイントを整理してみて下さい。

・考えてきた仮説とその根拠
・自身が工夫して解決してきた実験レベルの課題
・粘り強く繰り返した実験

などなど、これらが伝わる様に発表資料を構成すれば良いのです。
しかし学会ではこの辺りは重要視されなかったですよね
ここが学会と技術面接の大きな違いです。

とはいえ、研究自体について理解してもらわなければ技術面接は始まりません。
研究の全体像を理解してもらうことから始めましょう。

そこで質問なのですが、
あなたの研究はどの段階ですか?

・理論や概念を創出する段階
・基礎技術の立ち上げの段階(0から1を生み出す段階)
・技術の効率改善の段階(1からより高みを目指す段階)
・応用や開発へ挑む段階

など、研究と一口に言っても、様々なフェーズがあると思います。
研究の一連の流れ、そして今あなたがどの段階にいるのかを伝えるだけでも、
面接官のあなたの研究に対する馴染みやすさが圧倒的に高まります。

そして、どのフェーズであっても、
最終的に社会に届いたとき、どんな影響を与えるのか」を伝えましょう。
本当に最終的かつ、かなり先の話で問題ありません。
実現可能か、と言うことよりも、

・どんな分野の研究か
・意義をもって研究と向き合っていること

この2点が伝われば問題ありません。

これらが伝えることで、
面接官はあなたの研究をより理解する事ができ、
あなたの視座の高さのアピールにも繋がります。

そしてあなたの研究は、
次のフェーズ(例えば、基礎から応用)に移行するための課題を解決しようとしているはずです。

そしてその課題解決のための手法があなたの研究テーマになっていることが多いでしょう。

これを今回は大課題と呼びます。

さらにその大課題を解決しようとする中で、
日々研究に取り組む中で発生する問題があると思います。
その実験レベルで解決しなればならない課題を小課題と表現させてください。

まずこの課題の粒度の違いを理解してください。

「小課題」と表現したものの、多くの方にとって

技術面接で本当に重要なのは、この「小課題」への取り組みです。

「小課題にどう向き合ったのか」を整理してみてください。

小課題への向き合い方から、
・あなたが研究できそうなこと、
・科学的な事象に対して主体的に考え、解決に導く能力
を主張してください。

もちろん大課題も重要ですが、中々解決できないからこそ研究テーマになっているでしょうし、
教授が設定していることも多いでしょう。
もちろん大課題に対して向き合えた方は、その過程を存分に主張してください。

以上を踏まえて実際にどんなスライドを構成すれば良いのか、解説します。
技術面接で説明すべき要素は以下の 5 つです。

研究の根幹である技術や現象
研究が次のフェーズに進むための課題(=大課題)
研究テーマに取り組む中で発生した課題(=小課題)とその解決に向けた行動
現在までの研究成果
今後の予定

この 5 点の繋がりが伝わるようにスライドを構成してください。
それぞれの構造的関係を整理すると下記の図のようになります。

この矢印の順に説明す流ことで
「あなたの研究自体と、研究できる素質」が伝わる技術面接となることでしょう。

赤矢印で示したサイクルの過程(サイクルの中での仮説・仮説の検証方法・結果とそれに対する考察)を整理して伝えることで、あなたの研究に対して向き合う素質が伝わります。

学会ではここは論点にはなりにくい部分ですが、
技術面接ではこの部分こそ重要です。

学会発表における論点は「研究内容が、どこまで前進したか」ですが、
技術面接における論点は「貴方が、研究内容をどうやって前進させたか」という違いがあります。

そもそも主語が異なるのです。

ですので、まずこの図における各要素の構造的関係を掴んでください。
最重要の図ですので、矢印を追ってみてください。

では、スライドに何を記載すれば良いのか例とともに記載していきます。

まずは表紙に、研究テーマ・大学名・名前を記載しておけば問題ないと思います。

では、早速スライドの中身に入っていきましょう。

①研究の根幹である技術や現象

研究背景となるスライドになるので、学会のスライドと似ているかと思います。
学会等では技術についての詳細な説明を書く事も多いと思いますが、
ここで重要なのはやはり、「研究の全体感」を掴んでもらう事です。

まず、研究の根幹を成す技術の説明をしてください。
ただ、ここだけは絶対に伝わるように書いてください。
ここで面接官を脱落させてしまうとかなり厳しいです。
語彙レベルとしては、「他の専攻の大学院生に伝わるのかどうか」
1つの基準に置いておきましょう。

それでも使う語彙のイメージが湧きにくい人は、
志望企業の「ニュースリリース」を読んでください。

その分野に詳しくないのに大枠が理解できるはずです。

下記3点に着目して読んでみてください。
かなり具体的なイメージが持てると思います。

・説明なしで使う語彙レベル
・注釈をつける語彙レベル
・専門用語の修飾の仕方:例)〜を可能にする+〇〇(専門用語)

さらには、図の使い方もかなり参考になりますし、
各社の強みの理解(業界研究)にも繋がるので、読んでおいて損はありません。

使用する語彙レベルについて理解してもらえたと思います。

さらに、研究の全体像を掴んでもらうために
「あなたの研究が社会に届くときには、世の中にどんな影響を与えるか」
を伝えてください。これを伝える事により、
「研究の意義」が明確に伝わります。

あなたの研究が風力発電を効率化し得る素材の研究だとすると、
風力発電の効率化により、環境問題の解決に繋がる研究である事まで説明してください。

「風力発電」であれば、
社会に与える影響を想像するのは比較的容易です。

しかし、これまで多くの方と技術面接の練習をしてきて、
応用例自体が伝わりにくいものが非常に多い印象です。

せっかく説明しているのに、応用例自体が分かりにくいがために、
評価が得られれない事態は避けたいですよね。

どのように社会に影響を与えるのかまで是非伝えて、
まず研究の大枠を理解してもらいたいですね。

とにかく「研究の根幹」、そして「研究の意義」を伝えることを意識してください。

また必要があればスライドを追加して、
メカニズムの踏み込んだ説明などを加えても良いかもしれません。
しかしながら、面接官にとってあなたの研究が馴染みがないことを念頭に置いてくださいね。

②研究が次のフェーズに進むための課題(=大課題)

さて、前章の説明までで面接官には
・どのような分野の研究なのか
・研究の意義は何か
・どういった技術を利用しているのか
を理解してもらえたことでしょう。

続いて、
「自身の研究が応用まで考えた際に、どの辺りの段階なのか」
「次のフェーズへ進むための課題はどこか」

を整理して伝えてください。

研究の中の大枠の課題(=大課題)を記載し、
自身がこの研究に取り組む意義を伝えることを意識していました。

例えば、私の研究はかなり基礎的なものでしたが、
最終的な応用を考えた際、デバイスという「固体の形態」にする必要がありました。

しかし私が扱っていた現象は、液体中での発現は確認されていましたが、
「固体の形態」にするために必要な固体中での発現は困難でした。

この固体中での現象の発現が、私の研究の大課題でした。
まずはこの大課題を整理して伝えましょう。

そしてここからですが、大課題解決のための具体的な手法があるはずです。
多くの場合、これがあなたの研究テーマとして行っている事だと思います。

・そもそも固体中での発現が困難な理由は何?
・固体中での発現を可能にする手段として、あなたは何を考えたのか?

この問いに答えを用意するだけでも、
研究に向き合う姿勢をアピールできそうですよね。
是非あなたの考えや貢献できた点を整理して伝えましょう。

さらに、この大課題解決のための具体的な手法が研究テーマを表している事が多いので、

・研究の目的
・概要
・手法


の大枠を記載し、伝えましょう。

ただ、研究の上流は教授陣の考えである事も少なくないことでしょう。
そういった方にこそ着目して欲しいのが小課題です。
その場合でも少しでもあなたが貢献できたポイントがあれば是非伝えてくださいね。

何も無いという場合、それはそれで問題ありません。
実験等に取り組む中での考え方などから、
研究への姿勢を評価してもらいましょう(詳細は後述します)。

③ 研究テーマ(≒大課題)に取り組む中で、
 発生した課題(=小課題)とその解決に向けた行動

多くの方にとって、ここが正念場です。

技術面接では「君は研究できそうだね」と、
言ってもらえることを目指したいですよね。

それをあなたの「研究の過程」から面接官が判断します。

これの過程とは、「研究上流でどんな手法を取れたか」という事に限らず、
・選んだ手法に対してどのように実験等を進めたか
・実現させるためにどんな工夫をしてきたか
という部分に表れます。

実験や文献調査を重ねる中で、
どういう工夫ができたかというレベル感でも問題ありません。

とにかく研究のプロセスを表現して、
「研究できそう」と思ってもらう事を目標において下さい。

あなたの普段の研究室生活の中には
・思ったように実験の結果が出ない
・問題が発生した

なんて事の連続だったことでしょう。

これに対して、皆さんはどのようなアプローチで問題を解決しましたか?
その部分こそ技術面接では重要視されるのです。

私の場合、大課題を解決するための手法を採用が、
実際には、実現が困難でした。この課題(=小課題)に対して、
原因特定のための実験を行い、課題を解決したことを記載していました。

上記のことを3つのパートに分けて説明していました。
「原因特定パート」
「問題解決パート」
「結果パート」

それぞれのパートについて詳しく説明します。

まず原因特定パートでは、
理論的に考えられる原因の仮説を挙げ、
それを検証するための実験系を伝わるように説明します。

ポイントは「この実験でこのような結果が出れば、これが原因であると言える」と、
・仮説に基づいていたこと
・仮説を検証する方法の妥当性

について言語化しながら説明することです。

そして、どんな実験結果が出て、そこから何が原因であると特定できたのかを説明します。

さて、原因が特定できれば、その原因を取り除けば、
望んだ結果になるのかどうかが気になるところです。

「問題解決パート」では、
原因を取り除くために考えたあなたのアイデアを記載しましょう。
ここは是非あなたの考えを記載したいところです。
解決しようとする課題が”すごそうに見える課題”でなくても十分です。
どんな課題であっても、それに対するあなたの考えが知りたいのです。
(※そもそも目的達成に直結する課題を設定できた、などは非常に素晴らしいと思います。)

「結果パート」では、
あなたのアイデアで原因が取り除けたのかを説明しましょう。
ねらい通りに完全に解決できるのが理想ですが、
そうでなくてもどの程度理想に近づけたかを説明できれば十分だと思います。
ねらい通りにはならなかった場合、その原因を考察して伝えることが重要です。

このように書いてみると、当たり前のことのように感じますが、
・面接官が何を知りたいのか
・それに対してあなたが何を答えれば良いのか
を整理できている方は意外と少ないように感じます。
当たり前の事を高い水準でできるか、案外大切なことかもしれませんね。

これらのスライドでも、語彙レベルのコントロールを誤らないよう注意してくださいね。
あなたの研究分野に詳しく無い方には伝わりにくい部分ですからね。

④現在までの研究成果

さて、ここまでで、ある程度あなたの研究への姿勢は伝わったのでは無いでしょうか。
一呼吸置いて、現在(就職活動時)までに得られている研究成果をまとめましょう。

いよいよ大課題をどの程度解決できたのかを伝えます。
研究自体にとっても最も重要な部分です。

もちろん、ここでも実験を行うにあたり、
・立てた仮説
・結果に対する考察

など、貴方の研究に対する素質を主張することは十分に可能です。

③章では、解決(一定程度でも)した小課題についての結果までは示していたと思います。
そしてこの④章では、解決した小課題が、研究のフェーズ移行に関わるような大課題の解決に、
どの程度繋がったのかを説明しましょう。

例えばですが、
「固体中においても液体中と同様な性質を有する新規化合物の合成収率の向上」
という小課題の解決により、
「目標であった技術Aの固体中での発現」という大課題を解決した。

といった粒度の違いを理解いただければと思います。
もちろん、結果の凄さだけでは無いですし、
分野やこれまでの先輩方の積み重ねの違いによっても成果が得られ易いもの、
そうで無いものなど人によって異なる部分だと思います。


あなたが何を行なってきて、それにより研究はどのような進展を見せたか、
という構成にしていただければ良いと思います。

⑤今後の予定

学会では今後の展望はサラッと流すこともあるかも知れませんが、
技術面接においてはこの部分もしっかりと対策しておきたいです。

特に修了までに何をしたいか、
何を解決すれば研究を進める事ができるのかを表現する事で
「具体的な考えを持って研究に向き合っているな、それなら研究できそうだな」と、
評価の対象になる可能性は高いので、対策は怠らないでください。

こちらからの発表後、面接官からの質問でも必ずといっていいほど聞かれる点ですので、
評価されるだけの答えを用意しておきたいですね。
ここは今後のことなので、今からでもなんとでもできるところです。
努力を怠らないようにしてください。

そう考えると、下記の点を図示しながら1枚のスライドにまとめてもいいレベルです。
・現状上手くいっていない点とその原因(仮説で良い)
・どのような実験系の構築および解決策を考えているのか

質問が来た時に表示するサブスライドとして用意しておくのもありだと思います◎

また私が用意した例では、今後の予定まで含めても8枚のスライドですので、
より詳細に説明したい点があれば増やしたり、
時間を短くしたいなら削るなど臨機応変に対応いただければと思います。

ここまでが、発表資料を用いた技術面接についての説明になります。
何が重要なのかを理解する助けとなり、技術面接の通過に繋がることを心から願っています。

研究概要の作成方法

そもそも技術面接にたどり着くためには、研究概要の提出が必須です。

大学院生なら誰もが一度は悩んだ事があるのではないでしょうか。
「研究概要ってどう作ったら良いの??」と。

ただ、ここまでを理解していただいた貴方は、もう何も悩む必要はありません。
なぜなら伝えるべきことはスライドを使った発表と同じだからです。

A4サイズ2枚、という指定がある場合の書き方について
・どの要素が必要か
・どんな順番で記載するのか
と言う点について例を記載しておきますね。


特にどんな要素が必要なのか、という点に注意してご覧ください。
また、書く上で注意して欲しいことも付記しておきましたので、参考になれば幸いです。

また、1枚ならどんな研究概要になりますか?という質問もよく頂きます。
この場合は研究の全体像をまず伝えることを優先して、下記に絞ることをお勧めします。

・背景/目的
・大課題
・大課題解決のための具体的手法
・その結果と考察
・今後の予定

なので1枚で提出を求められた際は、小課題までは記載しきれないかもしれません。
ただ、面接の中では「何に苦労したの?」といった質問が来る事は明白です。
この質問意図しっかりと把握した上で、答えられていますか?
この質問が来たら「チャンス!」と思って答えないとダメですよ。

例えば、こんな答えだけで終わっていませんか?
「細胞の培養に時間がかかったことが大変でした。」
「合成が大変でした。」
もちろん、大変だったことは否定しませんし、それに耐え得る精神力があることも分かります。
しかし、

「同じ分野の人が全員そうやって答えることが可能ですが、
あなたはそれで良いのですか?」

仮説や考察が整理された小課題を、苦労として答え、
次に質問されるであろう面接官の「どう解決したんですか?」と言う問いに対して、
解決した過程を答える方が、間違いなく高い評価が得られます。

上記の様な質問に的確に答えるためにも、
あらかじめ面接官が確認したいポイント(=研究できる素質があるか)について、
整理しておかなければならないのです。

いかがでしたでしょうか。
研究概要の書き方についてもある程度理解して頂けたのではないでしょうか。

伝わるプレゼン

ここから、「プレゼン」についてお話します。
実際に研究開発職として勤務していて感じるのが「伝える力」の重要性です。
プレゼン力が乏しいと企業の研究開発職としては厳しいのではないか、と感じるくらいです。

そんなわかりやすいプレゼンにするために重要なことは、

「最初に全体像を見せる」ことです。

全体像が見えないと、詳細を話されていても、
それが全体の中でどこに位置するか分からず、話を理解する難易度が上がります。

特に難しいのが、スライドを使わずに、研究概要のみで研究内容を説明する形式です。
人によって説明の仕方の振れ幅が大きく、「伝える力」が試されます。

このタイプの面接で勝負を分けるのは、
「最初の1分で分かりやすく研究の全体像を伝えることができたかどうか」です。

スタートから面接官に「何だかよく分からない話だな」と思われると、
かなり雲行きは怪しいです。

そこでまず、研究の全体像を伝える上での最初のポイントは
「研究が実用化された際に、社会に与える影響について話すこと」です。

学会等でも応用例の話まではすると思います。
しかし、応用例の話だけで終わると「それで?」という顔をされる面接官もいます。

この現象が起こるのは、応用例自体が伝わりにくい場合が多いです。
非常にもったいないです。
「たまたま伝わりやすい研究テーマの就活生が有利に、、」なんて絶対避けたいですよね。

また企業での研究は、
「その検討って社会にとってどんな意味があるの?」
実益と結びつく事が常に考え続けられています。本当に常に。

技術面接の面接官はそんなことを常々考えているような現場の社員です。
なので繰り返しになりますが、
「その研究が社会に届いたとき、世の中にどんなインパクトを与えるのか」まで言及して下さい。

ほとんどの場合、
面接官にとってあなたの研究は初めて聞く研究分野なので、
あなたが思う3倍伝わりません

そこで、面接官の「あなたの研究に対する解像度」を上げることが重要です。
そのために、この「社会・世の中」と言う面接官の身近なことと、
あなたの研究との関連性を伝えることが、非常に役に役立つのです。

私自身、面接官の想像が湧くように話すことの重要性を痛いほど感じた就活生でした。
皆さんにはそんな思いをして欲しくありません。
どうしたら「伝わるのか?」このページを参考に考えて、しっかり準備しておいてくださいね。

例えば、「この研究の応用例は風力発電です。」 で終わってしまうと、
風力発電なら分かりやすいかもしれませんが、
応用例が分かりにくい場合、 その研究の意義さえ理解されない可能性があります。

例えば、「高効率なろ過膜」が応用例だったとすると、「それで?」となりますよね。
水の浄化を安価で行えるようになり、世界的な課題である水不足を解決に繋がると考えています。

この様に、実用化されると「世の中がどう変わるのか」にまで触れることで、
あなたの研究意義が伝わりやすくなります。

また「社会実装された先」までを言えると、
研究に対する視座の高さを主張できることも利点の1つです。

企業で研究する上でも常に意識するべき、
「実際に社会へ送り出す事」を考えられる根拠にもなり得るのです。

一方で技術面接ならではの問題もここで発生します。
それは応用例について、比較的詳細な質問もされることです。

普段の研究では、 応用例の知識までを求められる事は少ないと思いますが、
技術面接に向け、応用例について改めて勉強しておく必要があります。

仮に、私の研究が「風力電池自体」ではなく
「太陽電池への応用の可能性がある基礎技術」だとします。

その場合においても、
「風力発電自体」についての質問もそれなりに来る覚悟が必要です。

例えば、
・現状の風力発電の効率はどれくらいなの?」
・応用例の風力発電は現在のものをより効率化するものなの?
・それとも君の研究が実用化されると、現在のものとは根本的に異なる風力発電が世の中に出回るの?

などなど…

こういった質問が来る事は想定しておいた方が良いでしょう。
私自身も結構厳しい思いもしました(辛かった…)笑  

ただこのような質問が来ることを把握し、準備することが重要です。
ポテンシャルの話なので、
「理論的に言えば〜です。」と言った様な説明ができればそこまで問題はありません。

先述した通りですが、
技術系の面接官であっても専門分野が違えば、
あなたの研究を1度の説明で理解する事はかなり難易度が高いです。

ましてや1日に何人もの研究について聞いていると、
疲れもあって「何話してるのか良く分からないな〜」と思われかねません。
また正確性を求めれば求めるほど、難しくなり過ぎてしまいます。
(※何でも噛み砕けば良いわけではないが、伝えるポイントを絞るべき)

そうならないように、むしろ面接官に「この人の話は分かりやすいなあ」と思ってもらえるように、
・全体像を最初に伝える
・学術的正しき説明よりも分かりやすさ
・語彙レベルのコントロールを間違えない
・身近な物との関連性を述べる

などを意識して面接に臨んでください。

最初に分かりやすい説明ができれば、
後は質問された切り口で答えて行けば良いと思います。

その上で、面接官が質問できるだけの前提を共有する必要があるので、
その意識で説明すると良いと思います。

そして「正しさよりも分かりやすさ」を大切にすることです。
私も技術面接明でも全く持って完全に伝え切れたことはありません。
大切なことは「研究できそう」と思ってもらうために、
どの話を伝えるべきか、そのために必要最低限の説明は何か、事前に設定することです。

これは私の持論ですが、
「順序立てて全てを説明しなければ」と思えば思うほど、 上手くいかなくなる気がします。
これをやると話が長くなりすぎてしまい、
こちらが説明はしきれても、面接官が理解しきれないのです。

この対局を行くのが「最初に全体像を伝える」ことです。
まずは大枠を見せてあげることが非常に重要なのです。

その後、面接官の質問に合わせて(面接官が知りたい切り口で)、
深い説明をしてあげる感覚で面接に臨んでください。


研究の話に限らず、
面接において「1度のターンで全て話切ろうとしない事」
これは本当に重要だと思います。

最後に

ボリュームある内容だったと思いますが
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。

読んでいただいたことによって、貴方の就職活動が少しでも良い方向に進む事を願っています。

質問だけでなく、困りごとや辛い事があったので聞いてほしい、などでも構いませんので、
X(旧Twitter)のDM等に、いつでもご連絡下さい。

辛い就職活動と研究の両立の支えに少しでもなれたら、と心から思っています。

応援しています。


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